・ 梅や梅干しの雑学

何故梅干しは腐らないの?

「スーパーやコンビニで売られている”賞味期限付き梅干し”は腐るけど、お宅のは大丈夫?」なんて、お客様に聞かれることが多いですが、

私どもは、お客様に「梅干しは100年放っておいても腐らないものですよ」と答えます。(以前どこかのお城で100年以上も昔の梅干しが、発見されましたよね。紫蘇を水に戻したら、紫蘇の香りがしたそうです。)

最初は驚きでした”腐らないように梅を梅干しに加工する”わけですから”腐る梅干しって一体何?”

同じような質問をされるお客様があまりにも多く、いろいろ調べ、話を聞き、”腐る梅干しは梅干しではない”という結論に達しました。
・・・ちょっと大げさなですが(^▽^;)

確かに近くのスーパーやコンビニで売っている梅干しを見てみると、”賞味期限○○年○○月○○日”、”着色料赤色○○号、■■号使用””冷蔵庫で保存してください”などなど・・・(自家製の梅干しを作っておられる方がご覧になると、不思議な記述ですよね)。

賞味期限は”なし”、色は”赤紫蘇使用”、”保存はお好きなところで”というのが普通ですよね。


科学的な説明を紹介しますと、
梅(主に種子部(胚))に含まれる”アミグダリン”は”アミグダリン酵素”により、二分子のブドウ糖が遊離し”マンデル酸ニトリル”となり、さらに”プルナーゼ酵素”によって、”ベンズアルデヒド”と”青酸(HCN)”を生じる。

この”ベンズアルデヒド”は芳香性のアルデヒドで、梅酒や梅干し独特の風味を生成。

青酸は胚で主として合成され、100g中10mg内外の含有量を示す。このため、胚部を多く食べると中毒を起こすので避けなければならない。



「生梅やその種を食べるといけない」といわれるのはこのためです。よく「梅は食べても天神様は食べちゃだめだよ」とお祖母ちゃんにいわれたものです。


前出の”ベンズアルデヒド”は酸化されて、防腐効果の高い安息香酸に変化する。梅加工品が防腐効果を示すのはこのためである。

梅の核部に存在し、梅漬けや梅酒の芳香の主体をなすベンズアルデヒドやその誘導体には、抗癌作用が認められている。また、ベンズアルデヒドの酸化物の安息香酸には強い殺菌作用があり、殺菌、解毒効果がある。



とまぁこんな感じで難しくなりますが、要は梅干しは腐らないのが梅干しということです。

殺菌作用のある梅と紫蘇、そしてお塩の組み合わせは、最強コンビといったところでしょうか。昔の人の発見は今の世にも生きているんですね。でも一体誰が一番始めに作ったんだろう。


<戻

Copyright(C)SDF.