明日よりは 春菜摘まむと 標めし野に
昨日も今日も 雪は降りつつ (山部赤人)
昔の「言の葉」は美しいなぁ〜と感じる万葉集の一首。
昔は雪の中に若菜を摘みに行ったようですが、
今では、こんなに便利になりました(笑)
これじゃ小さくてわかりにくいので、
向かって右からご紹介♪
「春の七草写真集」
せり
なずな(三味線草)
ごぎょう(ハハコグサ)
はこべら
ほとけのざ
すずな(カブ)
すずしろ(だいこん)
これぞ七草っ!
あ、私はこれに梅干しを入れて食べようと考え中♪
そうです。
君がため 鶏がラスープで 草の粥
梅干し入れて いとうまし(笑)
さてさて、
1月7日は五節句の一つで、人日の節句。
この「人日(じんじつ)」に、7種の(野)菜を入れた
羹(あつもの・今で言うスープ)を飲んで邪気を払うという中国の習慣が、
平安時代〜室町時代*の日本に伝わり、七草粥(ななくさがゆ)誕生。
江戸時代には武士の公式行事となって、
その後は無病息災を願う庶民文化として定着したようです。
*河海抄(かかいしょう・源氏物語ノート)巻十三の「七種」で解説されている事から、
平安時代が日本での始まりと言われていますが、源氏物語は平安時代(794〜1185年)中期のもので、河海抄は室町時代(1336〜1573年)初期のものなので、どっちが正解かは私には「?」。
ということで、アバウトな感じになってます(はい。勉強不足です・笑)
七種
薺 繁縷 芹菁 御形 須々代 佛座
↑
薺(なずな) 繁縷(はこへら) 芹(せり) 菁(すずな)
御形(おぎょう) 須々代(すずしろ) 佛座(ほとけのざ)
おそらく、これじゃ覚えにくいということで、
「せりなずな ごぎょうはこべら ほとけのざ
すずなすずしろ (これぞななくさ)」
という語呂合わせになったのかなぁ〜と想像。
「節目」を大切に考えていた古の日本人は、
この寒空の中、力強く寒さを乗り切る生命を頂く事で、
この力強さをあやかろうと思ったんじゃないかなぁ〜と思ってます。
小正月(1月15日)に行われていた「元服の儀」に因んで制定された成人の日も、
いつの間にやらハッピーマンデーな現代では、「お正月の御馳走で疲れた胃をお休みさせる習慣」
という残念な位置付けですが(笑) 見習うべきは歴史に有り(かも?)
【ご注意】
春の七草で言われている「ホトケノザ」は、キク科で黄色い花を咲かせる田平子(タビラコ)という
草で、シソ科のホトケノザ(手のひらを広げた様な葉で紫色の花が咲く草・非食用)ではありません。
【関連記事】
二十四節気のメモ – 春告草からかぼちゃ&柚のお祭りまで
【暦のいろいろ】1月 – 睦月(むつき)
17:19 追記
春の七草は上記
「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」で、
食べられる野草ですが、
秋の七草は
「萩(はぎ)・尾花(すすき)・葛花(くず)・撫子(なでしこ)・女郎花(おみなえし)・
藤袴(ふじばかま)・朝貌(あさがお≒桔梗・ききょう)」で、野花(観賞用)です。
この「秋の七草」は、
山上憶良(やまのうえのおくら)が詠んだこの歌(万葉集)が元になっています。
秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花
(あきののに さきたるはなを およびおり かきかぞふれば ななくさのはな)
萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花
(はぎのはな おばな くずはな なでしこのはな おみなえし またふじばかま あさがおのはな)