ジャガイモを冷蔵庫に入れると?-冷蔵障害と冷蔵利用

先ほどお客様にバナナの事でご質問がありまして、
基本的には冷蔵庫に入れない方が良いですよ。
100円ショップで売っている「バナナを吊るす木材+フック」で
ぶら下げておくのが一番美味しくいただけますとお伝えしました(^-^)

以前、梅の豆知識のこちらにも書きましたが、
冷蔵庫も進化していますので、野菜室というのも確かに捨てがたい選択肢。

梅の追熟はエチレンガスの働き – クリマクテリック型果実

スイートスポット(黒点)が出てくるぐらいに追熟している場合は、
効果あり・・・と思いますが、そうなったらまさにその時が食べごろですし、
冷蔵前に召し上がった方が美味しいと思います(^-^;)

この点はトマトの時と同じ感想です(^-^)
トマトの保存に冷蔵庫はX、でも追熟後は○

で、このおまけで「ジャガイモ」のお話もしました。
冷蔵庫をうまく使うと、ジャガイモは甘くなります。

前出の記事「ちょっと豆知識」にバナナの事を書きましたが、
「デンプンが糖化し甘くなります」というのは、
ジャガイモにも当てはまります。

寒くなると、ジャガイモは思うんです。
「あ、冬が来た・・・準備しなきゃ(・ω・)/」って。
それで、自分の体の中のでんぷんを糖化させます。

植物はとても賢いです。
そしてこういう事を発見する人間は食いしん坊(笑)

ジャガイモを煮物に使う場合は、
ちょっと試してみると良いかも(^-^)

※でも注意書きが必要なので書いておきます。
この方法は、美味しい「煮物」を作る場合におすすめの方法です。

でんぷんを糖化させたジャガイモは、
「油で揚げる」などの高温調理には向いていません
ので、
この点をお気をつけくださいませ。

確かスウェーデンの研究機関が発表して、
一時期話題になりましたが、「発がん性」があるとか無いとか。
ポテトチップとか某mのポテトとか、騒がれましたね。

農水省のリリースではこのように発表されています。
ずいぶん前の記事だった記憶がありますが、ちゃんと残されていました(^-^)

※調理の際はやけどしないように十分に気をつけてください。
という一文に愛情を感じた私(^-^;)

冷蔵保存したジャガイモ
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/acrylamide.html

ジャガイモを冷蔵保存すると、でん粉の一部が糖に変わります。このジャガイモを高温で加熱すると、糖分をより多く含むために焦げやすく、見た目も味もよくありません。また、ジャガイモに含まれる糖とアミノ酸が反応して、発がん性を持つのではないかと考えられているアクリルアミドという化学物質ができます。

フライドポテトなどを家庭で作るときは、冷蔵保存していないジャガイモを使うようにし、加熱する温度や時間に注意して焦がさないようにしましょう。

なお、冷蔵保存しただけのジャガイモはアクリルアミドを含んでいません。また、冷蔵保存したジャガイモを煮たり蒸したりしてもアクリルアミドはできません。

フライドポテトを家庭で作るときのアドバイス
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/acryl_amide/a_kiso/potato.html

1. まずは、原材料を吟味しましょう。
新しいじゃがいもが適しています。冷蔵庫で長い間保存したじゃがいもは、糖分が増えているため、揚げたときにアクリルアミドができやすいだけでなく、焦げやすいため、できあがりの色合いも良くありません。もし冷蔵庫で保存していたじゃがいもを揚げ物に使う場合には、室温に一週間程度置いておくと糖分が減ります。

2. 次は、じゃがいもの下ごしらえです。
じゃがいもは、小さく切りすぎないでください(スイスでは少なくても厚さ7mm以上を推奨しています。)。小さいじゃがいもや傷がついたじゃがいもは焦げやすいので、その他の料理に使いましょう。揚げる前に、切ったじゃがいもを水やお湯にさらしたり(15分以上)、電子レンジで加熱したりするとアクリルアミドができるのを抑えることができるという報告があります。

3. 準備ができたら油でじゃがいもを揚げます。
50~100gのじゃがいもに対して、揚げ油を約1リットル用意し、油の温度を約 170℃に設定しましょう。油の種類は、アクリルアミドができる量にあまり影響しません。なお、低温で一度揚げてから(約140℃で2~3分)、上記の条件で二度揚げすると食感がよくなります。

4. 十分に火が通ったら、じゃがいもを取り出します。
揚げている最中は、じゃがいもから目を離してはいけません。黄金色に軽く色が付いたらできあがりですので、焦げないうちに素早く油から上げましょう。170℃なら6分程度が目安です。余計に加熱するとアクリルアミドがより多くできますので、長く揚げすぎないように十分に注意しましょう。二度揚げする場合は、揚げ時間が短くなります。
お好みで塩をふったらできあがりです。
※調理の際はやけどしないように十分に気をつけてください。

[参考情報]

1. 安全で健やかな食生活を送るために ~家庭でできること~冷蔵保存したじゃがいも(農林水産省)
2. ストップ!アクリルアミド (.STOP. Acrylamid)(スイス連邦健康局、チューリヒ州立研究所)
http://www.klzh.ch/downloads/stop_acrylamid.pdf (PDF:240KB)
3. S B. Erdogdu, T.K. Palazoglu, V. Gokmen, H. Z Senyuva, H I. Ekiz, Reduction of acrylamide formation in French fries by microwave pre-cooking of potato strips. J. Sci Food Agric, 87 (1) 133-137 (2007)
4. K. Grob, M. Biedermann, S. Biedermann-Brem, A. Noti, D. Imhof, T. Amrein1, A. Pfefferle and D. Bazzocco, French fries with less than 100 μg/kg acrylamide. A collaboration between cooks and analysts, European Food Research and Technology, 217 (3) 185-194 (2003)


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