梅干しの殺菌とガラス瓶の関係
– 紫外線の殺菌作用と一般的なソーダガラスの透過波長域 –
という事で、昨日からずーっとあれやこれやしていた記事。
関係各所にメールしたり、調べ物をしたり。
で、
やっと弱い頭が解決の方向に向かった?ので記事にしました(^-^;)
さてさて。
可視光線の波長域は、およそ380nm~780nmなので、
このレンジより上や下は、人間は見る事が出来ない光。
で、見えないところで活躍しているのが紫外線。
日焼けの元だったり、反面ビタミンDを作るために必要だったり。
人間にとって、程々に必要?な太陽からのビーム。
でも、梅干しにとっては、最後の仕上げをしてくれる強い味方。
ということで、
この紫外線の殺菌力とガラス瓶の関係を少し調べてみました。
※複数のデータから調べたので、表記がバラバラでしたが、
1μm(マイクロメートル) = 1000nm(ナノメートル)で表記を統一してます。
☆紫外線の波長
紫外線(10nm~400nm)は、その波長により
A波(UV-A)・・・315nm~400nm
B波(UV-B)・・・280nm~315nm
C波(UV-C)・・・100nm~280nm(または280nm以下)
に分けられている。
※数値は国立環境研究所によるものですが、
記事によって表記揺れがあったので注釈を付けました(UV-C)。
☆DNAの光(紫外線)吸収スペクトル
DNAの光吸収スペクトルは260nm付近に吸収帯があることから、殺菌に一番有効な波長は260nmと定義し、この260nmを100%とした場合、吸収係数の総対比は、225nm近辺・240nm近辺・280nm近辺が50%。290nm~300nmで10%~それ以下。
☆紫外線による菌類への殺菌効果の波長特性
殺菌作用の分光特性は260nm付近で最大になることから、光吸収スペクトルと同様に260nmでの効果を殺菌効果の最大値と定義し、これを1.0とした場合、240nm・285nmで相対値は約0.5、200nmで約0.1、300nm付近での相対値は0に限りなく近くなる。
☆板ガラス(ソーダ石灰ガラス)の透過率
板ガラス(ソーダ石灰ガラス)の透過率グラフから見ると、
300nmで0%、350nmで50%、500nmで最大(光の90%を透過)、800nmで50%まで下がり、1100nmで30%、1500nm~2000nmで85%程度まで上昇し、2500nmμmで50%まで下がる事から、板ガラス(ソーダガラス)の透過波長域は、300nm~2500nm位だと思いますので、この記事ではこれで定義。
※300nm~350nmの数値はほぼ同じですが、それ以外の数値はガラスの厚さによって異なります。また、グラフデータからの数値なので、厳密な数値ではありません。
☆ガラス瓶(ソーダ石灰ガラス)の透過率
ガラス瓶(ソーダ石灰ガラス・厚み2.5mm)の透過率グラフから見ると、300nmではやはり0%近辺。350nmでは85%、390nm近辺で最大(90%)となっています。可視光線の波長域が最大780nmという事からでしょうか、800nm以上のデータは掲載されていないので、ガラス瓶(ソーダガラス)の透過波長域は、300nm~800nm(上限不明)とこの記事では定義。
★ガラスを通して見た場合の紫外線殺菌効果
・紫外線の殺菌効果が期待出来る波長について
DNAの光吸収スペクトルでは、260nmが最大、290nm~300nmで10%~それ以下。紫外線による菌類への殺菌効果の波長特性では、260nm付近で最大、300付近での相対値は0に限りなく近くなる。
・ソーダガラスはこの殺菌に有効な紫外線を透す!?
板ガラスとガラス瓶の数値データをよく見ると、やはり300nm以下の波長に対しては、透過率が0%か0%近辺ということがわかりました。
ということで、ガラスやガラス瓶が通す事の出来る紫外線は、
殺菌にはあまり期待出来ないという結論です。
・・・なんて長文の自己満足?なのだろうかと思いつつ、
やっとモヤモヤがとれてすっきりしました(^-^;)