東京都下水道局 – 落合水再生センター見学

今日は、新宿区西新宿にある東京都下水道局の施設へと。
大人の社会科見学に行ってきたのですよ。

昔は下水処理場と呼ばれていましたが、
現在は「水再生センター」という名称に変わり、イメージアップ。

※ご注意—————————————————————
元々は私たち人間が出した生活排水ですが、
施設内の写真を不快に感じる方もいらっしゃるかもしれませんので、
ここから先の閲覧にはご注意いただけたらと思います。
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見学開始で一番最初に見せて頂いたのは、
災害対策用のトイレ。

これがなかなかどうして、よく考えられているんですよ。

震災でもね、我慢できないものはあるもので。
直接汚水のマンホールに取り付ける仕組みです。

で、こちらは焼却灰を加工して作られたレンガっぽいもの。

コスト的に高いので、一般的に使われてはいないそうですが、
このレンガが何を意味するか!?というと・・・。

このレンガ2個分 = 一般的な人が一生のうちに下水に流すもの。

だそうです。

新宿のビル街が目と鼻の先のこの施設、
上から見るとこんな感じ。

それにしても大きな公園

ん?おや?

と、視線を公園の下に・・・

緑の下には微生物が働くお部屋。
用地の屋上を公園として利用しています。

管理室では、現在の状況をモニタリング。

おなじみのアメッシュさんも・・・大きい・・・いいなぁ・・・。

さてさて。
沈砂池(ちんさち)で大きいゴミを取り除かれた下水の水は、

(昔懐かしい?ドブ川の臭いでした)

でーっかいポンプでくみ上げられて、第一沈殿池(ちんでんち)へ。

ゆっくり第一沈殿池を移動し、沈みやすい汚れを集めます。

それでも取りきれない汚れは、
お友だち?の待つ反応槽(はんのうそう)へ。

金魚の水槽上部に取り付けられたろ過フィルターのような感じです。

8つの池は小学校のプール250杯分だそうです。

そんな巨大な反応槽にお住まいの微生物に
エアを送るのがこの送風機。

早い話が金魚のブクブク。何もかもが巨大です(笑)

エアをもらって元気いっぱいの微生物は、
ご機嫌に汚れを食べてくれるようで、

小学生は大喜びらしいクマムシ(マクロビオッス)


見た目もこんなにきれいになります。

で、汚れを食べた微生物は、
当然体重が増えますので、その子たちを
沈殿させて回収 -> 一部を反応槽へ戻す
というリサイクルをしているのが、第二沈殿池。

そして、おなじみの砂ろ過を経て、

最後の仕上げは大腸菌を塩素殺菌。
これは法律で決まっているので必要な薬品。

ピーク時はティースプン一杯程度に
100億の大腸菌が含まれているそうです(^_^;)が、
この再生センターを通る事で50ぐらいまで減らせるそうです。

こうして並んでいると、違いがよくわかります。

で、きれいになった水を川へ放流したり、
中野坂上〜西新宿にある32のビルに
トイレの水としてこの再生水が使われているそうです。

なるほど〜♪のリサイクル。

そして気になるのが震災時にどうなる?という事。
飲み水ばかりがライフラインじゃありません

この施設も電気を使って動いていますので、
送電がストップしたらえらい事になります。

ポンプが動かなければ施設は使えず、
汚水も逆流・・・想像しただけでも嫌だ(T_T)

という心配を解決してくれるのが
施設内にあるディーゼル発電機。

燃料の備蓄もばっちり。
送電がストップしても24時間は稼働させられるそうです。

発電機のある建物の屋上にはマフラーがにょきっと(笑)

走り出しそうな建物(笑)

ここのエンジンはディーゼル発電機ですが、
ガスタービンエンジン(航空機エンジン)の
発電機を設置している施設も都内にあるそうです。

朝起きたら顔を洗う、で食事、そしてトイレ・・・と、
当たり前のように使っている水(上水道)は気にしても、
使い終わった水(下水道)は意外と忘れられているものですが、
人が汚した汚水は、汚水ラインを通って再生センターに向かい、
きれいにして、自然に返されているのでした。

地面の下を通っている下水道。
まさに縁の下の力持ちだなぁと感じた社会科見学でございましたとさ、
めでたしめでたし。

※汚水(生活排水)はこうして再生センターでクリーニングされてから
川に放流されますが、雨水(雨水)は従来通りそのまま川に流されています。


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