桃二小-ヤゴ救出大作戦

今日は桃二小に日本のファーブルこと、東京大学総合研究博物館の須田孫七先生がいらっしゃって、ヤゴや虫に関する講演をしてくださいました。

昔の荻窪地域の事や、善福寺川の護岸工事の影響、ビオトープの事など(桃二小が日本のビオトープ発祥の地なのだそうです)、幅広くお話しして頂きました。

興味深かったのは、アメンボのお話し。捕獲にはしらすを使うそうで、糸の先にしらすを付けて、アメンボの目の前に出すとよく釣れるそうです。また、アメンボは水面に落ちた昆虫などを食べるので、池などで捕獲するときは「音叉(おんさ)」を持っていき、水面近くで震動させると、その音に寄ってくるので、釣りやすいそうです。

そして、「アメンボを捕まえたらにおいを嗅いでみると飴のにおいがするよ、だからアメンボって言うんだよ」と、お話しされていました。

25年前は、杉並区に棲む昆虫は400種類ぐらいだったそうですが、近年緑化が進み自然が戻ってきたことで年々種類が増え、現在では1200種類以上が観察されたそうです。昆虫は自然環境を計るバロメーターでもあるのでしょうね

ヤゴの捕獲方法、そして飼育方法(餌の事や羽化するために必要な枝など)についても楽しくわかりやすく説明され、子どもたちも楽しそうでしたよ

講演の後は、すぎなみ環境ネットワークの方々がサポーターとなり、ヤゴ救出大作戦が行われました。

赤とんぼのヤゴがほとんどでしたが、シオカラトンボのヤゴやヤンマのヤゴも多く捕獲出来ました。昨年の三年生が作ってくれたヤンマ用のお誘いセット(ヤゴいかだ)のおかげで、昨年は一頭しか捕れなかったヤンマ型のヤゴがたくさん捕れました。

赤とんぼやシオカラトンボは打水産卵(飛びながら尾を水に打ち付けて産卵)なので、水が張ってあるプールならば産卵できるのですが、ヤンマや糸トンボは植物組織内産卵(水草など植物の茎の中に産卵管を使って産卵)なので、プールの水面に植物を乗せた「いかだ」を浮かばせ、水草が生えている環境を再現する事で産卵出来るようになるそうです。

例年多く捕れる糸トンボのヤゴやフタバカゲロウの幼虫はいませんでした(他のヤゴが補食した為ではないかとサポーターの方がお話しされていました)。

その後、赤とんぼのヤゴは飼育を希望する生徒さんたちに配られました。ヤゴは餌として生きているものしか食べないそうですので、飼育はちょっとだけ難しいかもしれませんが、元気に羽化して杉並の空を飛べるようになるといいですね


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