冷蔵梅の特徴 – 低温障害の後は、過熟そして腐敗。

青梅をいただいたので、初の梅干し作りにチャレンジしようと、
レシピ検索で当店のレシピを発見。メールでご相談頂きました。

ご相談の内容は、
青梅をいただいたのですが、割れていたり茶色のシミが点々と。
とはいえ頂き物の梅なので、そのままほかしてしまう事もできず、
室温で追熟していたところ、梅に異変が。


・追熟中に痛む(腐敗)梅
・茶色いシミが出てくる梅
・シワシワになり硬くなっていく梅

などなど。

これらの梅のうち、腐敗してしまったものは取り除いたけど、
茶色いシミのある梅やシワシワの梅は漬ける事が出来るでしょうか?
この茶色いシミは傷みの元でしょうか?
シワシワの梅はこのまま漬けてふっくらとした梅になるでしょうか?

頂き物の梅なので、どうして良いやらというご質問でした。

写真を見た瞬間、冷蔵梅(収穫後の冷蔵による低温障害)の特徴が良く出ているなぁと思いました。冷蔵による低温障害を受けると、エチレンの放出が阻害されるのか、それとも梅の中で何かが変化するのか、十中八九こうした梅になります。

追熟のつもりで熟すのを待っていると、そんな気持ちとは裏腹に、梅は「追熟」ではなく「腐敗」に向かい、最初はポツポツとした小さいものだった茶色いシミは、大きくなりあちこちに発生。
※そのまま放置しておくと、その表面には白いカビが出てきたと思います。

この腐敗は,梅酢が上がる前の樽の中でも進みますので、カビの原因になります。

また、冷蔵で追熟を阻害された梅は、色だけがうっすらと黄緑色に変化しますが、追熟っぽい変化は表面的なもので、実は硬いまま。ふっくらとはなりません。
※写真左上の梅などは、おそらくそんな感じの梅だったのでは?と思いました。

こういった梅によく見られるのが、なり口(木に付いていた部分)の乾燥。

収穫後、鮮度保持の為の冷蔵でダマシダマシしてきたので、表面は保てましたが、なり口は枯葉のように古くなります。ひどいものになると、この部分に白や灰色のカビが出てきます。

こういった梅の取扱いをしているお店でお買い求めになるときは、この部分にも注目してみてください。梅は正直なのですぐわかります(^-^;)

この梅は無理に梅干しにするよりも、傷みの部分を取り除いてジャムにしてみたらどうでしょうかとアドバイスさせていただきました(^-^)


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