「青梅をそのまま食べると毒があるといいますが、 あく抜きしないということはその毒性が抜けないままってことでしょうか・・・」
というご質問を朝一番でゲット(^-^;)
こちらも10年ぐらい前から永遠のテーマ?のような感じ(^-^;)
お返事に時間がかかってすんません(^-^;)
灰汁抜きをしている時も無毒化(追熟)は進んでいくわけですから
灰汁抜きとは無縁、とは言えないかもしれませんが、
人為的に加えることが出来る力(灰汁抜き)には、
それほどの効果を期待できないんじゃないかと思います。
基本的には「灰汁抜き」は↓にも書きましたように、
2010年06月25日(金) 09時33分23秒
梅酒の梅をあく抜きするかどうするか
雑味を取るというのが目的ですので、
以下は「青梅の毒」についてのお答えとなります。
なぜ「青梅(未熟果)」に「毒」と言われるものが存在するのかは、
先日の記事
完熟 (樹熟)南高梅のいろいろな味わい方と青梅って食べられるの?
で書きました通り、成長途中の「種」が自分を守るために身につけた防衛手段。
「アミグダリン」は、特にバラ科の植物が種子部に持つ武器で、
「大量に動物のお腹(腸)に入ると毒に変身」するという
優れもの?のステルス兵器。
お風呂掃除でおなじみのラベルに似てます。
「(お腹の酵素と)混ぜたら危険」といった感じ(^-^;)
「きれいなバラにはトゲがある」ように、このバラ科の防衛本能は
他の植物と比べてちょっと強力なのです(^-^;)
その毒性は、
な、なんと!?
人間の場合、青梅(未熟果)を「種ごと」バリバリ。
100個食べると、お腹を壊したり中毒症状が出るというもの。
※「毒」と言われる成分は、主に未熟果の種にあります。
キャァーァァーY(>_<、)Y
って100個ですよ100個(・_・;)
生で100個はワイルド過ぎます
・・・そういう食生活じゃ遅かれ早かれ(^-^;)
おそらく、「人間」を対象とした「毒」では無いのでしょうね。
※人間の平均的な体重で計算された数なので極端に思えるかもしれませんが、
体重の軽い小動物や大量に食べるような動物ならば、十分毒になると思います。
でも敏感な人は、お腹を壊したりしていたのでしょうか、
「梅は食うとも核 (さね)食うな、中に天神寝てござる」
という戒めの言葉で先人の知恵は語り継がれています。
※こういう事を研究する植物学者に生まれたかったと思いますよ最近(^-^;)
よって、適度な量なら問題なし。
過度に摂取すれば、なんだって「毒」なんじゃないかな?
というのが私の答えになりますが・・・アバウトですかね?(^-^;)
さてさて、「毒」と言っても、前出の記事にも書きました通り、
それまで(未熟果の時)は、「食べたらキケン」オーラを出していたのに、
ある時期になると「こないだはごめんね、美味しくしたから食べて」と。
何とか心と秋の空で路線変更=この「武器」が無くなるわけです。
この「ある時期」というのは「種が熟したとき」。
それまでは種を育てるため、身を守る事だけに集中してきた梅。
でも、種が完成して「この種を運んでもらいたい」と思ったら、
この「運搬役」を探すために全力投球します。
人間もある程度の年を重ねると、角が取れて丸くなると言いますし。
何事にも頃合いって物が必要なのかなと・・・あ、最近よく言われます(^-^;)
美味しそうな香りは、いわばフェロモン。
この香りに誘われて、たくさんの運搬役候補が寄ってきます。
中には「青梅を食べてお腹を壊した候補も懲りずに(笑)」
当然、「美味しくしたから食べて」と言う以上は、
「食べたらキケン」の看板は外さなければなりません。
このためにこの毒を無毒化(分解)します。
こうすることで、一度は火傷した運搬候補も、
「良い香りがしたら(熟せば)食べられるんだ」と一安心。
こうして学んでいくんですね・・・何事も理屈ではなく経験(^-^)
1シーズンに数日しか収穫できない梅ですが、
梅の実の中では、こうしたドラマ?が毎年行われています。
ほんと、植物というのは知れば知るほど不思議です(^-^)
ちなみに。
美味しくないのわかってての味見(毒味?)なので、
1粒ですが青梅(果肉部)も食べた事がありますが、特に問題なし。
寝かしていない梅干しの種は美味しくないので、いつもは食べませんが、
3 年ものの梅干しの種を10粒以上まとめて食べた事があります(笑)
が、今のところは生きてますので、それほど神経質にならなくても
いいんじゃないかなぁ?と思います。
※とはいっても世の中の人全員がOKという保証はございません(^-^;)
ふと思うと、10年前にもうちょっと詳しく?書いておけば、
こうした質問も減ったのかな?と反省(^-^;)
梅や梅干しの雑学