梅干しの賞味期限・消費期限について

賞味期限や消費期限のある「梅干し(と名付けられた梅加工品)」が
多く出回っているせいか、土用干しの頃になると、
梅干しの賞味期限・消費期限、梅干しは腐る?腐らない?という
お問い合わせをいただきます。

さて問題です。

梅干しは腐るのか?腐らないのか?

どっちでしょう(^-^)?

ヒントと解説はこちら↓


この梅は,うちのお店に残っている最古の梅干しで、
今から14年前の平成7年に漬けた赤梅干しです。

自家製の「梅干し」なので当然なのですが、
保存料や着色料は一切使っていません(^-^)

いわゆる「三日三晩」干した梅干しなので、かなり水分が飛んでいますが、寝かした梅の独特の香りと紫蘇の香りは健在です(^-^)


こちらはその翌年、13年前の平成8年に漬けた梅干し。
漬け方や干し加減をいろいろ研究(?)し始めた頃のもので、
減塩タイプ。塩分10%(1割)の漬け込みで、
2日の干しだったと記憶しています。

ちょっと見づらいかもですが、
写真左下、(C)マークのちょっと上に光っている部分は、
ペクチンなどが固まった粒のようなものがあります


こちらは先日の記事梅とペクチンに載せた(確か)平成9年の梅干し。

平成8年同様に減塩タイプで漬け込みましたが、この年は追熟を追求(?)した年で、この追熟具合が原因なのか、それともこの年の梅だからなのか、ペクチンの含有量がとても多かったようで、梅酢がぶどう色のゼリー状になっています。

こちらは密閉式ではない(パッキンが無くガラス蓋のみ)ガラス瓶で保存していますが、ぶどう色の元、赤紫蘇に含まれていた色素(アントシアニン)は、10年以上経った今でも退色していません。これはペクチンの効果なのでしょうか。とても美しいぶどう色です(^-^)

これらの梅干しをどんなところで保存しているかと言うと。。。特別な保存方法をしているわけではなく、店内の棚に無造作に置かれています。冷暗所とはほど遠い世界(^-^;)

このため、暑い時期はとんでもなく暑く,寒い時期はとんでもなく寒いという、オープンエアなエコ環境での常温保存。でも、冷蔵庫に入れたり、保存料などを添加したりという不自然な事をしなくても、問題なく保存出来ているんです。これぞ梅干しのパワー(^o^)/

ずいぶん前に、大昔の梅干しがお城から見つかったというニュースがありましたが、あの梅干しは100年だか100年以上昔の梅干しだったと記憶しています。冷蔵庫の無い時代に漬けた梅干しですから、当然常温保存ですよね。

ということで、

昔ながらの製法で作った「本物の梅干し」は、
「常温で保存しても腐らない(消費期限は無し)」が正解(^o^)/

では、減塩で漬けた梅干しは?

先ほど掲載した平成8年に漬けた減塩梅干しは普通に保存出来ていますので、少なくとも13年は問題ないというのが今年の結論。もちろん記録は毎年更新して行きます(^-^)
※ここで言う減塩は、一般に出回っている「減塩加工した梅漬け」ではなく、昔ながらの漬け方で作った減塩「梅干し」です。

でも、賞味期限は

経験上3年~5年ぐらいまでが一番良いんじゃないかと思います。

漬けた年は、土用干し前に樽から出したての「新漬け」の味。土用干し後は「新もの」の味。翌年、翌々年は塩や酸味がこなれてきた「熟成もの」の味。これで3年。これ以降はそれほど大きな変化が無いので、食べきってしまった方が良いと思います。

メモ – 梅加工品について

最近は梅干しと呼ばれる加工品が多く出回っている影響で、様々な味の梅干しと呼ばれるものが「梅干し」と思われている事が残念だなぁと感じています。

これら加工品は、国内の産地や中国など海外で塩漬けした梅を塩抜きして、様々な調味液に漬けた「梅漬け加工品」なので、正確には「梅漬け」の分類かと思います。少なくとも「天日干し」の作業が入っていないものが多いので、「梅干し」と呼ぶのは語弊があるかも(^-^;)

様々な楽しみ方があるとは思うのですが、こうした加工品が広く出回っているので、「甘い梅干し」は食べた事があるけど、「本物の酸っぱ塩っぱい梅干し」を食べた事が無いというお子さんが年々増え、「梅干しを見ても唾液が分泌されない子」が多くなっているとの事。時代の流れと言ってしまえばそれまでなのですが、なんか寂しいなぁと思います(^_^;)

元来「梅干し」とは、常温での長期保存を前提として、自然の力を有効に活用した伝統的な加工方法で作られたものを指す言葉で、使用するのは「梅と塩」。酸っぱくて塩っぱくて、見ただけで唾液がこみ上げてくるのが「本物の梅干し」と私は思っています(^-^)


梅干しの賞味期限・消費期限について” への2件のコメント

  1. 教えてください。
    今年は天気がいまいちで、仕事もあまり休めなかったせいで、いつもより干し時間が短かったのですが、そういう場合はやはり腐りやすいのでしょうか。
    ちなみに、干したのは1日目午前中・2日目午前中・3日目一日中でした。
    1.2日目の午後は室内で干していました。
    (いつもは4日間朝から夕方まで干しています。)

  2. 梅★子さんこんばんは(^-^)

    土用干しまで面倒を見て梅酢も無事であれば、そのぐらいの干しでも問題ないとは思いますが,ちなみに塩分とかはどのくらいで漬けられましたかね。