梅酢とぬか床のお手入れ – 共存共栄?の菌や産膜性酵母

こまめに撹拌(かくはん)している梅酢は、塩分などの濃度が均一に保たれますので、
土用干しまで何事も無く過ごす事が出来ます。

でも、梅酢が上がって安心して放置、その後、順調に塩分が底の方に移動。
そして外気温の上昇に伴って梅酢の温度も上昇なんていう
「悪い」環境を作ってあげると、
漬け物樽の中(梅酢の上澄み部分)では酸素が好きな招かれざるお客様が
勝手に宴会を始めます(^-^;)

梅酢の表面に白い膜が張るのが産膜性酵母。
酵母なので特に害は無いのですが、確実に味は落ちます。
そして程度が進むといろいろなカビを呼び込んでの宴会が始まります(T_T)

そして、これに似ているのが「ぬか床」。

ぬか床にも空気中の様々な菌がやってきますが、
それらの働きは「ほどほど」だと美味しいぬか味噌漬けになります。

でも、度を超えてしまうと、匂いが変になったり酸っぱくなったり、
ちょっとやそっとじゃ味わえないくらいの不思議な風味になったり(T-T)

ぬか床の場合は産膜性酵母が増えると、
この酵母がアルコールを一生懸命作りますので、
放っておくとツンとするアルコール臭のぬか床になります。

また、乳酸菌が増えると、酸っぱいぬか漬けを作ってくれます(^-^;)

こうした事を防ぐために必要なのが、
梅干し作りの「梅酢の撹拌(かくはん)」と同じ、
「ぬか床のお手入れ(ぬか味噌の撹拌)」。

ぬか床をかき混ぜて、その後、ペッタンペッタン。
ぬか床の空気を抜くようにすると美味しく保てるというのは、
酸素が好きな産膜性酵母などを酸素の無い底に、
酸素が嫌いな乳酸菌を底から上部に移動する事で、
これらの菌が大活躍する場を減らし、大量に繁殖する事を防ぐというもの。

昔ながらの知恵に理屈をつけるとこんな解説になるのですが、
早い話が「言い伝えや口伝えのレシピにはたくさんの経験値が詰まっているよ♪」
ということでございます(^-^)

ちなみに暑いこの時期。ぬか床に殺菌効果の高い鷹の爪(赤唐辛子)を入れて
「朝・昼・晩」の三回まぜまぜが、ぬか床を長持ちさせる秘訣。

食材を出した後は、「ありがとう」という感謝の気持ちを込めながら、
ぬか床をまぜまぜ。これもおばあちゃんから教わりました(^-^)

梅干しやぬか味噌などなど、伝承され続けてきた知識というのは一つの文化。
いつの時代も大切に守っていきたいものです(^-^)


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